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そこにいるこ
むかしむかし、 なにもしなくていい場所がありました。 そこには、 すべりだいもなく、 おもちゃもなく、 なにかをしなさい、という人もいませんでした。 その場所に、ちいさな子どもがいました。 その子は、することがありませんでした。 したいことも、... -
虹色の球体
エネルギーが循環しない虚しさ。 与えたエネルギーが返ってこない虚しさ。 私はその虚しさを感じ、目を閉じて虹色の球体の中に逃げようとした。 その球体はシャボン玉のように透き通った見事な虹色をしているが、シャボン玉のように薄いものではない。 暖... -
ざくろの実と、忘れられた約束
むかしむかし、ある小さな庭に、 ぽろりと落ちたざくろの実がありました。 「明日、あげるね」 そう言ったのは、忙しい忙しいおとこのひと。 でも、次の朝になると、 ぽろりと忘れてしまいました。 待っていたのは、おんなのひと。 彼女は言いました。 「... -
少女A
中学生の少女A。 少女Aは胎児の頃から悟っている。 しかしA自身は、自分が悟っているなんて思ったこともない。 悟りという言葉すら知らない、思春期真っただ中にいる少女だ。 Aは髪を茶色に染めている。理由は簡単だ。黒がつまらなかったからだ。 単にそう... -
ちーちゃんと雫
ちーちゃんは生きていることに疲れ、何をしていいのかも分からず、床に伏せ、ぼーっとしていました。 じわりと涙がでて、ついに一粒の雫になって溢れ出ました。 その雫の中には、海と山と空がありました。人の全てがあり、宇宙でもありました。 ちーちゃん... -
まーくん
まーくんは永遠に現実を生きるお地蔵さんです。 まーくんは目覚めることがありません。 ずっと仮想の現実を真実として生きます。 目覚めることもないまま、真理を生きて、そして死んでいきます。 学ぶこともなければ気づくこともありません。 ただ一心にこ... -
いおりくん
いおりくんは落ち着いて座っていることができない子です。 先生が手を焼くものだから、いおりくんの席は何年生になっても教壇の目の前です。 いおりくんはとても活発で、隙さえあれば、プラスチックの小さな野球バットを持って、お外に遊びに行ってしまい... -
ちーちゃん
「なんでよ!どうしてよ!」 ちーちゃんが癇癪を起している。 「どうして私がそんなことをしなくちゃいけないの!」 「ちーちゃん、良く聞いて。あなたはまるで自分が損をしているとか、不自由な目に合わされているって思っているでしょう? でも違うのよ...
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