私と会うことを避けるようになった頃の彼は、とにかく態度が冷たくて怖かった時期があります。
私が落ち着いて話をはじめても、彼に「長い!」「何が言いたいの!」ときつく言われ、委縮して言葉が上手く出なくなってしまう。
そうして黙っていると「言うことないなら帰る」と言って帰られてしまう。
そんなことを繰り返していました。
一か月振りに会えても、その時間わずか5分,10分。
とてもつらい時期でした。
それでも私は、彼が私のことを心から嫌いでそうしているとは思えなかったんですよね。
彼の中で、何か心の叫びがあるように思えてならなかったです。
それが感じられるから、現実の私はすごく傷ついたり悲しんだりしているのに、私の魂は、絶対彼から離れないと決め切っているようでした。
魂という概念を自然と受け入れたり、量子的な考えも納得できても、それでも、生きているのは現実。
「彼には心の叫びがあるのだろう」というところまでは受け入れられる。
でも、傷つく自分や、前に進まない時間だけが過ぎていく年月。
その中で、見えない世界を信じることは、簡単ではありませんでした。

今日も私は相変わらず、自分の気持ちや思いを、彼に簡潔に伝えることはできませんでした。
それでも今の彼は、私の話を遮ることはありません。
黙って聞き続けてくれたり、時折「話が難しくなって分からなくなってきた」などと言いながら、コミュニケーションを続ける姿勢を示してくれます。
彼なりに理解しようとする姿勢を見せてくれています。
以前のような冷たい彼ではなく、彼は穏やかでいてくれます。
そのため、私も「あれ?私は何が言いたかったのかな?」と整理をつけやすくなり、次の会話に進みやすくなります。
こうやってコミュニケーションをゆっくり重ねていっているのが分かります。
日々を生きていくための表面的なコミュニケーションと違い、深いコミュニケーションをしていくときは、「信頼」というのがないと入れない領域があるものです。
彼から信頼を勝ち取るのは難儀なことでした。
それでも私は、私はやり遂げたのだと思います。
やり遂げたのは、魂の決意がそれほど強かったからなのだと思っています。
