「なんでよ!どうしてよ!」
ちーちゃんが癇癪を起している。
「どうして私がそんなことをしなくちゃいけないの!」
「ちーちゃん、良く聞いて。あなたはまるで自分が損をしているとか、不自由な目に合わされているって思っているでしょう?
でも違うのよ。
あなたにしかできないことなの。あなただからお願いしていることなのよ。
だからそんなにプリプリしないで。あなたに託したいのよ。」
ちーちゃんは、ずっしりと大きな袋を持たされたような気になっていたから、そんな語り掛けに素直に応じるわけにはいかなかった。
「私はこんなものを持たされたら、とても不自由だわ!それにちっとも楽しくないじゃない!どうして私がそんな目に合わなくちゃいけないの!」
ずっと同じ不満を口にして、歯向かうような態度で向かってくる。
しかし、返す側の態度も一貫して同じだ。
「ちーちゃん、あのね、よく聞いて」
もうどれだけの期間、同じ問答を繰り返しただろうか。
両者とも、ほとほと疲れ果てるのではないかと思われるほどだが、決着のときはきた。
返す側はびくともしていない。一つも疲れていない。
ちーちゃんは、泣き疲れ、暴れ疲れ、何度も寝ては起きて、何度も同じ問答を繰り返した末、急にふと、手元にあった大きな袋が実はとても小さなもので、それを腰にぶら下げておくだけでいいんだと気づいたのだ。
「なーんだ、腰につけとけばいいなら、私の自由はちっとも奪われないわね!」
そういって急に上機嫌になり、袋を腰にぶら下げて、あっという間に外に飛び出していった。